フリー麻雀は他者をいかに使うかがキモ

フリー麻雀の打ち方はオンライン麻雀や仲間内での麻雀と異なる戦略が必要です。
目的は「自分がトップを取る」ことではなく、「稼ぐこと」です。

一般的な麻雀戦略解説をしている人たちの闘い方は、「勝つこと」が目的です。
何切る問題を始めとした牌効率をベースにした戦法をマスターしたとしても、
それはあくまでも「点棒をかき集める」ことに特化しているため、本当の意味でフリーで勝てるとは限りません。

ここでは、そんなフリー麻雀用の手の進め方について解説しましょう。
あくまでも1つの意見。天運のバケモノなどには適用されません。
そして、稼ぐことを前提にするのでピン雀荘での戦いがテーマになります。
レートが低くなるともちろん色々変わるのでそこはご含みおきください。

また、ここでの解説は「フリー麻雀デビューから勝ち組になるまで」あたりのレベルの人を対象にしています。
この段階を突き抜けた、麻雀で食っていけます。というような人はこんなこと考えなくていいです。
読みや手組み、といった部分は最低限なら・・・という層が勝つためのものなので
真の猛者はこんなところに来ないでマンションにでも行っててください。

基本姿勢

上で書いた通り、「トップを取る」のは目指すものではありません。
もちろん状況にもよりますが、基本的には「なんか取れちゃった」で十分です。

やるべきことは
1・基本的にツモりやすい形のリーチを目指す
2・赤牌がある場合は「最短」を狙う
3・どちらも難しい場合、「赤」の受け入れを可能な限り維持しつつ面前で進める
この方針です。

そして、自分の方針より大事になってしまうのは実は
「自分がチップを支払いをしない」で済むようにするということ。

ピンで計算するとして、チップの支払いが発生しないでトビラスを食らった場合、5000円超でしょうか。
これ、高く見えるかもしれませんが「チップ3枚のツモ」一発で負債が消滅します。(1000/2000は最低でもつくので4900円以上)

役満やら明らかな高打点をケアしないでいいというわけではありませんが
順位以上にチップを狙うのが重要だというのは理解しておきましょう。

そして「自分がチップの支払いをしない」というのはつまり、
「自分の和了で蹴る」
「他の人に代わりに被害を受けてもらう」
「他の人に捌いてもらう」
のいずれかです。

この「自分の和了」が理想なのはもちろんですが、そこにチップが絡まなさそうなら
他の人をうまく利用するのがフリー麻雀のキモです。

配牌からの判断

フリー麻雀でのポイントの1つは「配牌配給時」です。
ここでやることは「理牌」ではありません。
まず、対局者の表情を確認することです。
対戦相手がどんな人かはその時点ではわかりませんが、
ポーカーフェイスをできない人もいます。
配牌を見て残念そうな顔をしている人がいるかどうかがポイント。
良い時はポーカーフェイスができたりしますが、悪い時は割と明確に顔に出るものです。

とはいえ、いい、悪い、の基準は人によってかなり違います。
しかし、残念な顔をしている場合、少なくとも「赤牌」は固まっていないと思って良いです。

フリー麻雀では、とにかくこの「赤牌」の有無が大きく状況を変えます
(雀荘によっては赤以外にもチップ対象があったりしますが、そういった特殊な牌をここでは説明のために赤に統一します)

「残念な人が赤ツモってくるかもしれないじゃん」とか考えるのはごもっとも。
ここで気にするのはその後のことではありません。
「その人をケアするかどうか」です。

普通の麻雀では、例えば2~3巡目で役牌を鳴いた人に対しては一定のケアが発生します。
残念な顔をしている人も役牌を鳴くかもしれません。
しかし、赤がない状態の役牌仕掛けなど、放銃したとしてもピンでもせいぜい満貫で800円。ツモられても200円400円です。
タンヤオ赤赤の1390円には遠く及びません。こちらは鳴きでも1100円です。まるで違う。

つまり、そういう人が仕掛けた状態で、
自分がチップを取れる手ではない、と判断できる時には
むしろその人を応援しましょう。
鳴いてもらえそうな牌があるなら鳴かせてしまいましょう。
特に3~7の赤周りがオススメ。
その辺を鳴かせてしまえば赤の受け入れチャンスを減らしてしまえます。

その状態で聴牌になってくれれば最高の人柱。いざとなれば差し込んでしまうのも一興。

序盤の手牌の進め方

牌効率を元にした「和了に向かう手組み」はもちろん知っておいて損はありません。
しかし、それを実際に使うタイミングというのはある程度限定されます。
上で書いたように「自分がチップを獲得することが期待できそう」な時”だけ”です。
具体的には「好形」か「赤含み」「他者がみんな赤を持っていなさそう」な時。

そんなこと言ってたらあがれなくなるやんか、というのはごもっとも。
いいんです。
自分が被害さえ受けないなら他者にあがってもらいましょう。

そのためにも、序盤に何を手に残すか、は非常に重要。
自分が和了狙いの時は牌効率最重視でもいいですが
そうでない時は最低でも一発を回避できるようにそれぞれの人の安牌や切りやすいものは手元に残しておきましょう。
その上で、大丈夫そうな人へのフォローができるような進め方がベター。
一番おっかないのは立直です。鳴いて貰えばリーチは来ないしその人が放銃する可能性も増える。いいことずくめ。

安全なものは手元に残し、危険なものを先に処理する。
俗にいう「好牌先打」ですね。
この「危険なもの」は赤がありそうな人のものから優先。ただし、下家が赤含みなら無茶はしないように。

進行

赤がないまま手を進めていくと、途中で赤牌を引いてくることももちろんあります。
そんな時、考えるべきことは「使うこと」ではなく「他者にその赤がない」ということです。
もちろん、使えるなら使いましょう。
ただ、他者がその色の赤を持っていない、というのは重要な材料です。
例えば混一色が明らかな仕掛けをしている人がいたとして、
赤がない場合は極論上がられてもOK、と考えてしまうこともできます。
バカホンなんて放銃でもダメージになりません。

そして、赤がないまま面前で聴牌した場合、待ちがツモれそうな気配のものならガンガン曲げましょう。リーヅモ裏1は十分な稼ぎ打点。
しかし、「きついかな?」と思えるような待ちの場合は場の状況を見ましょう。
誰かが赤入りで仕掛けをしているような時に愚形リーチを敢行するのはそれ相応の根拠が欲しいところ。
リーチはハイリスクハイリターンなもの。
相手をおろす効果があるので、状況次第では愚形リーチも上々ですが、赤複数を保持している人は滅多なことではオリません。
一騎打ちになってもかまわん!という状態の時に突っ込む、という覚悟ができる手なのかどうか、ですね。

立直が来たら

立直が来てしまったらもう仕方ありません。
ここからは素直に運任せ。相手がツモったら裏がないことを祈るのみ。
自分が十分に反撃できそうな形でもないなら他の人に任せましょう。
捨て牌読みができると放銃回避率は向上しますが、ツモられるのはどうしようもありません。

他家をフォローできそうならやりましょう。
赤がないならその他家に満貫を上がってもらった方がお得なことがほとんど。

着順を気にするべきタイミング

南場、特にオーラスか南3局あたりでは多少は着順を気にしてもいいでしょう。
赤があるなら無視していいです。ウマよりチップの方がでかい。
チップがなくても着順をあげられる和了はそれなりに価値を持ち始めます。
あくまでも着順は「考慮してもよかろう」という程度であるということは忘れずに。

なお、チップのないアガラスは相手のチップ阻止のみが目的となるので有効になるケースは結構少ない。
それより誰かの放銃で運よく順位が上がる、みたいなのを狙う方がいいかも。

まとめ

フリー麻雀独特な「チップ取り勝負」
この観点がないまま牌効率をマスターしたから俺は強い、みたいな発想だと悲しい気持ちになるかもしれません。
和了が多ければそれはもちろんトップ率は高くなりますし、放銃回避も牌効率がよくわかっていれば比較的読めるでしょう。
しかし、トップの稼ぎよりチップの支払いが多かった、なんてケースは結構発生します。

どんな時でも和了を目指す、はトップを取る価値が高いルールの時。
他の人を蹴散らせるくらい和了し続ける自信があるなら別ですが、それは運の世界。
ある程度の牌効率はフリーの客は理解しているものだ、ということを前提に
その差を潰せるくらいの知力の差があると思えないなら、他者活用も考えてみましょう。
この他者活用で、「収支」はかなり変わります。