フリー麻雀で使われる可能性があるイカサマ行為

一昔前、麻雀小説や麻雀漫画が流行っていた頃があります。
その時に大きく麻雀人口の向上に協力したと思われる「哲也 雀聖と呼ばれた男」
40代前後の麻雀好きなら誰もが知っている漫画ですが、
雀荘のメイン顧客層はさらにその元ネタの麻雀放浪記を読破した年齢層でしょうね。

さて、この漫画や小説により、麻雀とイカサマはセット。むしろいかに美しくイカサマをするか、のような
意味のわからない世界が想像されてしまっていました。

フィクションの世界、と侮るなかれ。麻雀のイカサマ行為は割と簡単にできてしまいます。
常に警戒している相手にはまずできないでしょうが、山のすり替えを初め、ちょっとした牌捌きの技術があれば実現可能性は0ではありません。

しかし、当たり前のことですがイカサマ行為は雀荘において最大の禁忌。
やった瞬間に出禁は確定。その雀荘のグループはもちろん、近隣の雀荘全てにその情報が伝わる可能性も高く、
たかだか1回のアガリのためにそんな無意味なことをする人はフリー雀荘に行くべきではありません。
闇の世界で打ちましょう。

とはいえ、「イカサマされるんじゃないか?」という恐怖を持ってしまっている人もいるでしょう。
なので、ここでは「フリー麻雀で実現することが出来なくもない」というイカサマについて紹介します。
知っていれば使われてもすぐ気付けますので安心ですね。
いや、誰もやらんけど。

イカサマパターン1・積み込み系

「明日も雨かな~?こう降られちゃかなわねぇな~」サイコロカラカラ・・・「2か」カラカラ・・・「2だ」
「2の2だな・・・」
これでわかる人はもうおじいちゃんです。自覚が必要ですね。
麻雀の最も基本的なイカサマは「山のどこにどの牌を設置するか」をコントロールする、「積み込み」行為です。
サイコロの出る目までコントロールすれば、配牌すら自由自在です。
上記、高名な2の2の天和。ドラ爆弾。元禄積み、などなど、ありとあらゆるイカサマの基本です。
手積みの麻雀が当たり前だった昔はこの辺りが頻出していたのかもしれませんね。

しかし、フリー麻雀でこれを実現するためには、機械の中に入る小人が必要です。
今や全ての雀荘が全自動麻雀卓を導入しているといっても過言ではありません。
これにより、「積み込む」というアクション自体が全て封印されました。
機械の進歩よありがとう。

というわけで、積み込み系は完全に根絶しています。気にする必要はないね。

イカサマパターン2・すり替え系

これは実は現在でも可能なイカサマです。

ぶっこ抜き

色々と種類がありますが、例えば冒頭で触れた「哲也」で有名になったのが「左手芸」と呼ばれるイカサマ。
相手の注意が他所に向いている瞬間、手の中の牌と山にある牌をスルッと入れ替えてしまう技です。
やるのは実に簡単ですが実際は「山に何があるかわかっている」からこそやる意味が生まれる技でもあります。
現在の自動卓でこれをやる場合、「手の中の不要牌を山の牌と交換する」という、いわば一人だけツモの回数を増やす、という効果になります。
さて、その効果とばれた時のリスク、釣り合いますか・・・?

拾い

捨て牌の河に並んでいる牌と自分の手持ちの不要牌と高速で入れ替える技。
マジシャンになった方が稼げるんじゃないか?と思える次元のスキルが必要。
これは積み込みが不要ではありますが、まあバレます。
同卓者全員がボケかけたおじいちゃんとかならわからんでもない。
そもそもフリー麻雀ではそういった行為をしにくいように
・卓の上には利き手以外は基本的に出さない。
・ツモる時以外の手の動きは最小にとどめるように要求される
など、いわゆるマナー部分でかなりの制約が入っています。
これまたやる意義が薄いですね。

エレベーター

手の中、特に利き腕ではない方の手に牌を隠し、他の人(コンビ打ち)が同様に隠している牌と入れ替えたり、
余剰牌を持つことで聴牌効率を高めるなどの効果を期待できるイカサマ。
多牌、小牌を指摘されるリスクがある上に卓全体から牌が少なくなってしまうわけなので次の局に持ち込むとエラーが発生する。
今の時代にはあいませんね。

イカサマパターン3・仕込み系

ガン牌

お薬を打つと牌が透けて見えるやつ。
厳密には、牌に傷や汚れがついていたりすると、それを記憶してしまい
「山のどこにどの牌があるのか」を視覚情報で判断できるようにしてしまう技。
これはイカサマというより偶発的にそうなってしまいことも。
意図的にこれを実現するためには雀荘のメンバーにでもならないとかなり難解。
回避方法は一瞬。「すみません、牌が汚れてるんですが」
これをメンバーに伝えると高確率で牌を交換してくれます。
その可能性を考えると仕込むのはちょっときついですね。

壁役

観戦者に相手の手牌を密告してもらうという大胆な技。
おしゃべりは禁止されてるケースが多いので、ハンドサインや目線のサインなどが使われる。
観戦自体が禁止されているところがほとんどなのでこれをやるためには
雀荘選びも重要になってくる。

イカサマパターン4・コンビ技

これは正直全然現役で使われます。やる人がいるかは別として実現可能性は最も高いイカサマ。
麻雀はそのゲームの特性上、組んでやるとかなりの確率で片方のプレイヤーの順位を上げてしまうことができる。
極論、勝ち役決めて全部放銃して順位を押し上げてあげればいいわけですからね。
こればっかりは止めようがない。

ローズ

コンビ打ちで利用される通しサインのこと。要は暗号的な言葉や仕草。
要するに「これ切ってくれ」などの指示を伝えるためのもの。
気付かれたら逆に利用される・・・って利用するために都合いい状態になるってこと自体が奇跡。

まとめ

色々あるイカサマをまとめてみましたが、基本的に今の雀荘では「コンビ打ち」以外のイカサマは効果期待値とリスクが全く釣り合いません。
そして「コンビ打ち」は二人でやって来たお客さんが同時に卓に着くという状態がそもそも必要。
こうなると、フリー麻雀でイカサマに遭遇する機会はほぼないでしょう。
怪しい人がいたらメンバーが絶対に止めてくれます。
そんなやついたら客商売が成り立たないのでね。

そんなわけで、変な心配は不要です。
イカサマは仕組みだけ理解しておけば十分。
気にせずにフリー麻雀に向かいましょう。